アウケアホーム

プロダクトとオペレーションを通じた全体最適と課題解決により、 定期巡回をもっと介護の現場に広めていきたい。

在宅で生活したい方の希望を支えられるという点が定期巡回の魅力なので、平準化したオペレーションを構築し、参入ハードルを下げて定期巡回事業を全国的に増やす。それがプロダクトチームのミッションですね。

そう話すのは、スリーエス株式会社の共同創業者兼取締役CTOの川崎。24時間型訪問介護マネジメントを支援する「PORTALL(ポータル)」の責任者を務める人物だ。プロダクト開発を行うエンジニア視点から見た定期巡回の魅力や可能性について話を伺った。

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介護業界が抱える課題をプロダクトで解決したいと思った

今までクライアントワークを中心とした仕事をすることが多く、ライフタイムが短い製品を作ることが多かった。 子供の将来を考えたときに、社会に残ることに注力したいと思うようになりました。

大学を卒業後、面白法人カヤックやエンジニアを目指す学生の支援などを行う教育系のスタートアップ企業に在籍し、テックリード兼執行役員を務めていた川崎。やりがいをもって取り組む一方で、もっとその先の社会に対して価値を提供できるような仕事をしたいと考えるようになる。

僕自身もプロダクトを作って、それが後世に残るようなものを作りたいという想いがありました。そこが実現できるような領域を探していく中で、介護という業界での課題解決に千田と取り組み始めたという感じですね。

代表取締役の千田と出会った当初、介護業界の知識はなかったものの、介護施設の視察やアルバイトとして介護現場を経験する中で、人の尊厳に関わるような問題が実際に起きていることを実感する。

ある施設の職員さんにインタビューをした時のこと。ご入居されている利用者の方に、落ち着いた生活が難しく様々な課題のある人がいて、そんな方に対しても「関わりたくない」と諦めるのではなく「どう支援していけばいいか悩んでいる」と、真剣に話してくれたことがあって…。こういったことは決して一人で抱える問題ではないし、この人の力になりたいと純粋に感じました。

一人ひとりに向き合い支援を行う介護職員や関係者、支援を受ける高齢者の生活も含めて、「この領域に関わる人達に貢献したい」という思いが芽生え、千田とスリーエス株式会社を共同創業する。

プロダクトをつくる=介護職の方に便益を届けていくというイメージになると思いますが、その便益を届ける先というのが、自分自身もその人の立場に立ち応援したくなる部分があると思いましたし、介護業界に対して価値を提供していきたいと考えるようになりましたね。

エンジニア視点から見る定期巡回の魅力

そんな川崎が開発に携わるのが「PORTALL」というサービス。24時間型訪問介護事業を行うために必要な計画作成責任業務のプランニング、訪問介護員のスケジュール管理や訪問記録、利用者の緊急通報サービス、ご家族やケアマネジャーとの情報共有などを支援するプロダクトだ。スリーエス株式会社ではこの「PORTALL」を、自社の定期巡回事業で運用するとともに、外部事業者へ提供するSaaS事業も行っている。

基本的には自社の現場での運用に加えて、外部で導入してもらっている事業者とも密に連携をし、ヒヤリングなどを通してプロダクトに反映しています。定期巡回の中で言うと、ソフトウェアを使う中で出てくる「こういうケースの場合はどうしたらいいか」などの疑問点に対してレクチャーをしたり、要望をプロダクトに反映して対応できるように改善するといった作業を、現場と連携しながら行っています。

定期巡回において「PORTALLを通じた平準化されたオペレーションの構築を目指している」と話す。現場の疑問や声に応えながら、日々働く介護職員や事業者の背中を押すプロダクトだ。運用を行う中で、嬉しかった瞬間について尋ねてみた。

PORTALLではケアマネジャーからのコメントやご家族のリアクションなども確認することができるんです。「このご家族、すごくPORTALLを見てくれているな」とか「毎回リアクションしているな」とか。ケアマネジャーさんが職員に感謝の言葉とか伝えてくれたりもするので、職員の方もより自立的に動いてくれたり…。それから支援していたご利用者のご家族からお手紙が届いたこともありました。「アウケアホームの方にケアに入ってもらって、落ち着いて生活ができてよかったです」という内容で、もちろんそれは現場で尽力してくださった職員さんの成果なのですが、その言葉を頂いたときは直接面識がない僕も感極まってしまうぐらい嬉しかったですね。

在宅生活をトータルに支援するサービスとして 磨きをかけていきたい

介護度が上がると施設サービスを利用するという選択肢を取ることが多い中で、新しいサービスモデルである「定期巡回事業」について川崎自身はどのような部分に魅力を感じているのだろうか。

定期巡回の魅力は、サービスの頻度や時間、内容をある程度事業者内でハンドリングできるところだと思います。24時間365日、ご利用者の方の生活全体を見ながら、どういう形で支援していくかをデザインできる。時間や頻度、サービス内容も、もう少しだけ融通を効かせて柔軟にできれば…とジレンマを感じている方々も多くいます。そういった事業者には非常に魅力的かなと思います。

高齢者が「在宅生活」という選択肢を選べる世界の実現。そのために、スリーエス株式会社は24時間型訪問介護が「一般的な介護サービス」として利用される未来を目指している。エンジニア視点で見つめる定期巡回の未来はどんな景色なのだろう。

弊社直営のアウケアホームは基本的に関東や都内を中心に展開していますが、SaaS事業の方では全国の事業者を支援しています。定期巡回事業を全国に増やすため、参入の敷居を低くしていきたいというのがまず一つ。また、現状は介護保険内でサービス提供しているという部分が大きいですが、生活に必要な部分はその人それぞれ違うと思っています。定期巡回事業者が頻回に入って、ご利用者の様子をPORTALLに詳細に記録していくことで、ご利用者一人ひとりの生活を介護保険外も含めてトータル的に支えていく形がとれるようになるといいなと考えています。

描けるキャリアの幅広さがスリーエス株式会社の魅力

24時間型訪問介護事業とSaaS事業の両輪を回しながら、成長を続けているスリーエス株式会社。「求職者にとっての魅力を伝えるとしたら?」と質問してみた。

我々の会社では定期巡回事業もあればSaaS事業もあって、他にも営業や管理部門などもあるので、例えば働く人のライフステージやキャリアなどに合わせてSaaS事業の方で活躍したり、描けるキャリアの幅の広さは魅力かなと思います。

現場で支援を行う介護職よりも技術職の方がSaaS事業においては活躍の場がありそうなイメージだが、必ずしもそうではないと川崎は語る。

例えば定期巡回事業を開設したばかりの事業所だと、実際現場で運用が開始したときに、システム以外の部分でもアドバイスが聞きたい場面が多々あります。そういった部分は現場で経験のある方がサポートできることもあると思います。現場にヒヤリングしながらプロダクトを作っている面もあるので、より業務が楽になるという視点も含めて、一緒につくっていける場面は多いと思います。

まだ知られていないサービスモデルだからこそ、チャレンジできることや可能性に満ちている。

自社で事業所を持っているのも弊社の魅力の一つ。そこで運用を磨きつつ、ノウハウをプロダクトに反映して他の事業所にも輸出していく、という大きな流れが作れれば、より定期巡回の参入ハードルも下がっていくと思います。僕らの事業領域に関心がある方、社会課題に取り組んでいきたい方、ミッションに共感する方はまずはカジュアルにお話できたらと思います。

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